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まりやインブルー その1.

公開日: : 最終更新日:2017/04/12 映画・本, 父として息子として夫として

「まりや、映画を観に行こう」
大学の春休みで自宅に帰ってきていた長女の華子が妹のまりやを誘う。
「まりや、『SING』観たいって言よったろ。絶対おもしろいけん行こう」
三女のうららも姉のまりやを促す。
だが、返事はない。

次女のまりやは、志望大学に不合格となったときから毎日、
昼過ぎまで自室に籠ったままである。

その日、しかたなく私たちは三人で映画「SING」を観に行った。
「SING」の主人公のバスタームーンは、
父親から譲られた劇場を何よりも愛していた。
しかし、かつては栄えていた劇場もすでに客足は途絶え、
閉館も余儀なくされようとしていた。
そんな劇場を守るべく一念発起、
バスタームーンは史上最大の歌のオーディションを企画する。
そこに集った訳アリの歌手たち。
皆それぞれ歌の才能は溢れているのだが、
それを阻む心の問題を抱えている。
しかし、自分の夢を叶える最終オーディションに向けて
人生で初めて自らを励まし、ポジティブに挑むのだが・・・

超楽天家の劇場主人バスタームーンでさえも絶望する事態に直面する。
そこから物語は大きく展開していき、
ラストの感動シーンを迎える。

上演後、華子が
「やっぱり、まりやに観せたかったなあ」と言うと、
「これは、まりやにはグッドタイミングだけん。
これを見たら、また来年に向けて頑張ろう!という気持ちになるよ」
小学生のうららが無邪気に答えた。

自宅に戻ると、まりやはひとりでごはんを食べていた。
「『SING』おもしろかったよ!」
と二人が言うと、すこし間を置いて、まりやが言った。

「私、結婚したい」
華子が驚いて、
「だっ、だれと!!」
まりやは、
「羽生君と」

羽生君とは、あのフィギュアスケートの羽生弓弦選手のことのようである。
みんな、息ができなくなるくらい笑った。

 

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石山離宮 五足のくつ オーナー 山﨑 博文
下田温泉一の老舗『旅館 伊賀屋』の六代目として 天草下田温泉に生まれた天草育ちの天草男児。 2002年7月に、九州の西の果て、東シナ海を見渡す山に 全室露天風呂付き離れの温泉旅館『石山離宮 五足のくつ』をオープン。 趣味は散歩と温泉と水泳。旅行家としての一面も持つ。
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