*

公開日: : 最終更新日:2014/12/20 自身のこと

先日、街で友人へのプレゼントを買って、店を出たときのことだ。
交差点で信号待ちをしていると、ポツリ、ポツリと雨が降りだした。
傘を開こうとすると、
後ろから「お客さま」と呼ぶ声がした。
自分のことだろうか、と思いながら振り向くと
先ほど、プレゼントを買った店の店員が立っていた。
「プレゼントが濡れてしまうといけないので…」
彼女はビニールカバーを私の紙袋にかけた。
「わざわざ、追いかけて来てくれたのですか? ありがとうございます」
という私に、
「信号待ちをしているお客様の姿が見えたので…」
と答え、彼女は一礼すると、店へ戻った。

その日は、強い雨が降り続き、ずいぶん濡れてしまったが、
彼女のビニールカバーのおかげで、プレゼントを濡らすことなく届けることができた。
そのことを友人に話すと、
「今時、珍しい店員さんだね」
と感心していた。

雨の日には、ビニールカバーをかけた買物袋をよく見かける。
雨天時は、商品にビニールカバーをかけるというマニュアルがあるに違いない。
スタッフの中には、「荷物が濡れてしまう」、
だから「ビニールカバーをサービスしよう」ではなく、
「雨が降っている」から「ビニールカバーをサービスしなきゃ」
という思考になっているものもいるだろう。
しかし、交差点まで追いかけて来てくれた彼女のそれは、 前者だっただろうと思った。

友人宅の帰りに、妻から頼まれていた買物をするために酒屋に立ち寄った。
顔見知りの店員が、娘に、と非売品のジュースをくれた。
「ありがとう」と私は受け取る。
いつも娘のことを気にかけてくれる酒屋の気持ちがうれしかった。
気持ちがあって生まれるサービスは、人を幸せにする。
冷たい風が吹く夕方だったが、ポケットはポカポカと温かかった。

The following two tabs change content below.
石山離宮 五足のくつ オーナー 山﨑 博文
下田温泉一の老舗『旅館 伊賀屋』の六代目として 天草下田温泉に生まれた天草育ちの天草男児。 2002年7月に、九州の西の果て、東シナ海を見渡す山に 全室露天風呂付き離れの温泉旅館『石山離宮 五足のくつ』をオープン。 趣味は散歩と温泉と水泳。旅行家としての一面も持つ。
石山離宮 五足のくつ オーナー 山﨑 博文

最新記事 by 石山離宮 五足のくつ オーナー 山﨑 博文 (全て見る)

記事を気に入ったらシェアをしてね

  • twitter
  • facebook
  • google+
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • twitter
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知を
メールで受け取ることができます。
読者登録はコチラ

関連記事

インスピレーション

石山離宮 五足のくつ オーナー 山﨑 博文 石山離宮 五足のくつ オーナー 山﨑 博文

記事を読む

午前会

石山離宮 五足のくつ オーナー 山﨑 博文 石山離宮 五足のくつ オーナー 山﨑 博文

記事を読む

台風の夜

石山離宮 五足のくつ オーナー 山﨑 博文 石山離宮 五足のくつ オーナー 山﨑 博文

記事を読む

下田温泉の自然の甦り

石山離宮 五足のくつ オーナー 山﨑 博文 石山離宮 五足のくつ オーナー 山﨑 博文

記事を読む

スピーチトレーニング Ⅲ

石山離宮 五足のくつ オーナー 山﨑 博文 石山離宮 五足のくつ オーナー 山﨑 博文

記事を読む

PREV
冬物語
NEXT
鎮魂歌

ブログの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知を
メールで受け取ることができます。
読者登録はコチラ
  • twitter
  • facebook
  • youtube
  • instagram
  • feedly
  • livedoor
  • rss
天草 下田温泉街

先日、五足のくつで学生時代の同窓会を催してくださった 5名様ほどのグ

猿の惑星:聖戦記

私は、「猿の惑星:聖戦記」を観ながら「これだ!これだ!」と、 そのシ

ニワトリのジョナサン

熊本で「エイリアンコベナント」と「アウトレイジ」を続けて観てから 私

ラ・ラ・ランド

「ミクロの決死圏」というアメリカ映画を 幼い頃、父とテレビで観ていた

ムーンライト

天草第一映劇に入ろうとしたら、 入口にアルプスの少女ハイジの大きなポ

PAGE
TOP